



いじめや差別のある世界をなくそう。この普遍的なテーマに大人だけでなく、こども自身で取り組もうとするのが「KODOMO MUSIC & ART FESTIVAL '09」のコンセプトである。 このイベントの特徴は、第1に、こどもがテーマであると同時に、主催者側にもこどもが加わっているというところである。 というのも、当日ステージ上で行われる、ライブペインティング・また会場デコレーションの制作などはこどもたちが行うからである。
第2に、時間軸が長いということである。「この2日成功できても、コンセプトの達成にはならない。50年とか100年かけて、このイベントがきっかけで、今ある環境や世界が変わっていかないとコンセプトは一生達成できない」と、イベントディレクター・畑山さんは言う。問題に本気で取り組むんだ!という、ものすごく背筋の伸びた姿勢がある。
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こどもたちのライブペインティングは、4か月前から準備されている。東京・池尻の国立音楽院に隔週で集まり、全8回の練習がスタートした。この練習とは、うまく描くことになる練習ではない。音楽に触れ合いながら、描くことの楽しさをステージ上で発揮できるようにする練習である。人数は、10人~15人くらい。 |
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ライブペインティングでの一番の課題は、どうお互いの絵をつぶさず、お互いに生かして描けるかというところである。それには、「お絵かきしりとり」が効果的だった。
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こどもたちは、一枚の紙の前に、最初に描いた子の絵の具の色がこうだから、この線がこう伸びるから、自分の線はこうに描くんだ!と試行錯誤で取り掛かっていた。あるワークチームは、線と線を融合させたり、あるワークチームは、一部一部各自で仕上げていたりと、それぞれの個性がチームにより発揮されていた。また、こどもたちの間に自然と会話がうまれるように、パレットの数を減らして貸し借りを促すなど、ワークショップの細部にわたり工夫をこらした。 |
こどもたちが一番楽しみにしているのが、横断幕の作成である。当日ステージに飾られる大きな横断幕の上に、両手足にたっぷり絵の具をつけ、手型、足型をつける。自分の何倍もあるキャンパスなど、普段では描けない大きさだから、うさぎのように跳ねたり、側転をしたりして、うれしそうに手型、足型を付けて回る。終わってみれば、体、服、顔と絵の具だらけである。「普段学校ではできないような素材・キャンバスを使って絵を描いてもらいたい」と、いたずら笑みを浮かべて、イベントディレクター・畑山さんは語る。 |
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当日は、多くのお客さんの前という緊張感にあふれた空間にはなるが、野外なので、室内とはまた違った絵を披露してくれることは間違いないだろう。彼らの晴れ舞台を、期待したい。
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お絵かきしりとりは、4人ほどのチームになって、お絵かきでしりとりをする。ライブペインティングの練習では、必ずどの子も経験することが、自分の絵を誰かにつぶされてしまうということ。しりとりをすることで、前のお友達の絵を生かして自分の絵を描く、という社会性をも意識したワークショップである。 |
「アーティストパス作り」当日、アーティストの方のするパス作り。カラフルの絵の具なはずなのに、色を混ぜに混ぜて、かなりダークな色合いのものもあり、大人の創造を超越した色彩感覚が見られた。これでアーティストにも、こどもたちの心意気が伝わるのではないか。 |
当日、ステージに飾る横断幕。手型、足型で埋め尽くしてある。ここには、何百人というこどもの願いが詰まっていて、当日不参加でも、イベントに参加しているという思いのこもった横断幕になっているのだ。 |
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